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by めがね

カテゴリ:小説( 1 )

今さらながら…。

今さらながら、
・リリー・フランキー『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』(扶桑社、2005年)。
・劇団ひとり『陰日向に咲く』(幻冬社、2006年)。
読みました。

基本的には、小説大好きです。ただ、時間的には、専門でもない本をそんなに読んでられない。そして、読む本はやっぱり手元においておきたいけど、金銭的にはそんなに買ってられない。ということで、自分内ルールとして、小説はよっぽどのことがない限り、単行本では買わず、文庫になるまで待ちます。単行本だと、置く場所もとるし。

ただ、上記2冊は、大手出版社の発売の本と異なり、2年待っても、一向に文庫にならない。しょうがないので、ついに単行本で買ってしまいました。いや、もちろん、BOOK OFFでだけどね。

僕は、小説を読む時期と読まない時期が、ハッキリあります。確固とした理由があるわけではないけれど、忙しさと自分の気持ちの揺れがきっと主な理由です。

そして、今は小説を読む時期です。今回は、今まであんまり読んでいなかった、映画の原作になっているような売れ線作家を読んでいます。ここ1か月で読んだものを挙げると、
・恩田陸『夜のピクニック』(新潮社、2004年)。
・本谷有希子『腑抜けども 悲しみの愛をみせろ』(講談社、2005年)。
・奥田英朗『イン・ザ・プール』(文藝春秋、2002年)。
・同『空中ブランコ』(文藝春秋、2004年)。
・伊坂幸太郎『死神の精度』(文藝春秋、2005年)。
ちゃんと小説読んでる人にしてみたら、どれも「今さらながら」だろうけど。

長い前置きがありまして、いよいよ本題。『東京タワー』と『陰日向に咲く』の感想です。

『東京タワー』は、自伝として、リリー・フランキーにシンパシーを持って読むと、いいこと書いてあるし、感動的な話ではあるけど、小説としては、エンターテイメント性に欠ける気がしました。時系列におそらくは事実に即して話が展開していくので、ストーリー上になにか仕掛けだったり、謎解きがあったりするわけではないし、その割には文量が多い。

それに比べると、『陰日向に咲く』の方が、構成的には圧倒的にうまい。映画のインタビューで、宮崎あおいが「個々の話がリンクしていて…」と言っていたのを見ていたので、そのリンクのさせ方を期待して読みました。確かにうまくリンクしていて面白いかったし、ひとつの短編の中の構成もうまく考えられていて、ひとつひとつにオチがつけられています。

ただ、読んだタイミングが悪かった。井坂『死神の精度』を読んだばかりでした。『死神の精度』は、死神が人間の姿をして、対象となる人間の前に現れ、その人間の生死を判断する話の短編集なんですが、この作品も個々の短編がリンクさせてあって、最後の短編でそれまでの短編とのつながりが分かるように作られています。リンクのさせ方も、個々の短編内でのオチのつけ方も伊坂の方が一枚上手って感じです(読んでいない人のために、詳しくは書かないけど)。死神のキャラ設定のうまさもあって、個々のエピソードも飽きずに読んでいけます。

ということで、両方ともよかったけど、上記の作家の方がおもしろく読めたなー。相手が悪いのかもしれないし、当然ながら個人の好みにもよるけど。
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by bbex33312 | 2008-05-04 06:17 | 小説