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by めがね

総合英語って何だ!?(英文法参考書レビュー)

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高校英語の学習参考書に、「総合英語」なるジャンルがあることを知ったのは、最近のこと。本屋へ行くと「総合英語」と表示された棚があり、最初は本屋の整理の都合で、「英文法」や「英文解釈」などのジャンルに、分類しづらい本を「総合英語」棚につっこんでいるのかなと思っていたんですが、よくよく見ると、タイトルの前に「総合英語」と書かれている参考書を多数発見!

「総合英語」じゃ、本の中身が全然想像できんじゃないか…。指導教官が、「タイトルはセクシーに!」って言ってたぞ!

と、心の中でツッコミつつ、さらに見てみると、「総合英語」ってのは、英文法を体系的に説明した参考書のこと(演習用に文法問題を並べた問題集ではなく)を示すのが、英語学参界のお約束のようです。なんだかんだ言って、高校生がいきなり『ロイヤル英文法』とか『英文法解説』を読んだりするのはキツイからね。そこで、「総合英語」というジャンルが出てきたのでしょう。

さて、そんな総合英語の参考書の中で、多数の学校に採用されている人気No.1が、桐原書店の『総合英語Forest』。暗記ではなく「理解」を重視と謳っているだけあって、各章のPart1でその章の項目の全体像を図入りで説明したり、レイアウトが工夫されていたりと、分かりやすさが人気の秘訣のようです。

その「英文法の理解」が売りの『Forest』の特長が表れているのが、34ページの第4文型を第3文型に書きかえる時の前置詞の使い分けの説明。この書きかえ自体は、中3生用のテキストにも載っている有名な文法事項です。『Forest』の例文を挙げると、

・My uncle gave me his watch.→My uncle gave his watch to me.
・My uncle bought me an MD player.→My uncle bought an MD player for me.

「今どきMDはないだろう、i-podくらいに変えようよ。」
と、ツッコミたくなる例文ではありますが、以上のような文で、なぜ動詞によってtoとforを使い分けるのか、という話です。説明自体は、是非『Forest』を。単に、toとforの使い分けの説明だけでなく、なぜ二つの言い方があるのかということを「英語の情報構造」という観点から説明しています。

ただし、ですよ。『Forest』にも批判点は、あります。そこで、『Forest』の対抗馬である、数研出版(数学のチャート式でおなじみ)の『デュアルスコープ総合英語』にご登場願いましょう。

『デュアルスコープ』は、『Forest』に比べると、例文を挙げてその後に淡々と説明を
加えていくタイプの参考書です。『デュアルスコープ』にも、第4文型と第3文型の書きかえの時に、toを使うのか、forを使うのかという説明自体は載っていますが、『Forest』と読み比べてみると、分かりやすさは『Forest』の方が数段上手です。

そこで、僕は最初は圧倒的に『Forest』派で、なぜ高校で『デュアルスコープ』が採用されているか分からなかったんですが、今はどっちも一長一短だと思っています。まず、『Forest』の批判点の一つ目は、桐原書店が商売しすぎなところです。もちろん、現在の出版不況で大変だろうとは思うんですが、『デュアルスコープ』がCD付きで1410円なのに対して、『Forest』は1450円で、CDは別売りで1400円もします。確かに『Forest音でトレーニング』(『Forest』のCD付き例文集)の方は、例文集がついていたり、英語音声のみならず、MP3で「日本語音声→英語音声」もついていますが、やっぱり高い。さらに、対応問題集が1200円しますので、全部買うと4050円もします。ラインナップが充実しているのはいいんですが、生徒に「全部買え」とは言いづらい。

二点目は、当たり前ながら、全部の文法単元で上記のような、秀逸な説明がなされているわけではないということです。例えば、助動詞の項目で、なぜmay as wellが「~した方がよい」のような意味になるのかは、『速読英単語』シリーズで有名な風早寛先生が書いたZ会の『英文法・語法のトレーニング 基礎講義編』には載っていますが、『Forest』には載っていません。また、準動詞についてのまとめの説明があるので、不定詞のPart1の説明はいらないように思いました。

以上のような点が鑑みると、先生が授業できちんと説明することを前提にすれば、『デュアルスコープ』の方が採択される理由も分かる気がします。

上述の『英文法・語法のトレーニング 基礎講義編』について感想をつけ加えると、内容がコンパクトにまとめられていて、第5文型をとる動詞の整理の仕方や上記のmay as wellの説明は、『Forest』より上だと思います。また、各章末にセンター試験の文法問題が載せられているのもよい点です。しかし、文法の基礎を説明している参考書なのに索引がないことと、例文に慣れるためのリスニングCDが存在しないことが難点です。

そして、結論。結局、生徒はいろんなレビューを踏まえた上で、自分に合った参考書を選らんだり、学校で配られた参考書をしっかりつぶせばいいが、こっちは生徒が学校で配られたものに合わせて、いろいろ見比べなければいけないので、非常に大変。以上!

石黒昭博監修『総合英語Forest 5th edition』(桐原書店、2006年)。
小寺茂明監修『デュアルスコープ総合英語 三訂版』(数研出版、2006年)。

付記(2008.6.16)
ただし、学校で教材の一括採用という場合は、事情が異なるようです。
『Forest』には、学校用に、CD付きの文法問題集(600円)があるようです(生徒が持っていました)。
ちなみに、「キムタツブログ」に書かれていたのですが、桐原書店の『NextStage』や『DateBase』には、一括採用すると、問題作成用のCD-ROMが先生に配布されるそうで、それが学校での採用に影響を与えるとのことです。
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by bbex33312 | 2008-05-11 13:04 | 参考書の紹介